分譲マンションには、
一生涯その場所に住むつもりで購入している居住者と
賃貸物件として貸し出すオーナーが混在しています。
最初から投資目的で購入していない場合でも、
自分自身で居住するために購入した
分譲マンションを
転勤などの事情で住めなくなり、
投資用に第三者へ貸し出すことで
分譲マンション投資を始める方がいます。
そういった場合はどのような事に
気を付ければよいのでしょうか?
三浦 義明
株式会社シノケンハーモニー
代表取締役
1995年6月株式会社日商ハーモニー(現シノケンハーモニー)入社。
2008年4月株式会社シノケンハーモニー代表取締役に就任。
その他、シノケングループ各社の物件管理会社、介護事業会社の代表取締役、建設会社、賃貸管理会社、少額短期保険会社、DX事業会社等の取締役を兼任。
そもそも、土地を持っている地主(オーナー)が住みたい人(借地人)を見つけて、対価として地代などの費用を
もらうという賃貸事業は新規契約が難しい時代がありました。
以前の普通借家権では一度貸し出した土地はなかなか返還してもらうことが難しく、借地人が望めば継続的に
住み続けられ、地主(オーナー)側のデメリットが大きかったのです。
しかし、2000年3月に施行された定期借家法の改正により、賃貸借契約の期間が満了した際には更新される
ことなく賃貸借関係を終了できるようになりました。
もちろんオーナー側と賃貸人の双方の同意があれば再契約は可能です。
上記のような法改正によって、分譲マンションを買った方が、転勤などで2〜3年一定期間は空き家になってしまう時は気軽に賃貸に出して分譲マンション投資を始める機会が増えていきました。
しかし、専門的な知識を持つ大家さんとは異なるため、さまざまなトラブルが起きやすい点は注意が必要です。
水漏れ、エアコンや給湯器など設備交換などが発生した場合に、
賃貸物件の場合は管理会社に委託している場合が多く、
簡単に進んでいきますが、専門的な知識がなく分譲マンションオーナーに
なった方であれば容易なことではありません。
どのような段取りで進んでいくのか?業者はどこに頼めばいいのか?
そもそも対象場所は共有部分なのか、専有部分なのか、
管理規約を引っ張り出して四苦八苦した結果、
対応が遅れ、
賃貸人からクレームが
出る例もあります。
単純に賃貸に出すのみではなく、
管理会社の選定や管理規約の
確認なども忘れずに行って
おきましょう。
賃貸マンションよりも分譲マンションの方が設備のグレードが高いと言われていた時代もありましたが、
現在の賃貸マンションのクオリティは年々上がっており、分譲マンションだからと高い家賃を設定しすぎると
入居者が付きづらい場合もあります。
また、最初から賃貸物件であるマンション投資の場合は入居者が代わる度に管理会社がリフォーム代や
現状回復業務による清掃など、賃貸物件の管理業務である「設備維持管理」「清掃管理」「維持・修繕」が発生します。しかし、自身で住むために購入したマンションであれば、特にメンテナンスが行われていない可能性も高いため、自然的消耗も激しい可能性が高く、賃貸に変更する際に修繕費用が大幅にかかるというケースも考えられます。
安易な気持ちで分譲賃貸マンション投資を行おうとしても、賃貸用の中古マンション投資よりもリスクが高い
ことは理解しておく必要があります。
実際に分譲マンションにはさまざまなルールがあり、
「管理規約」と「使用規約」を把握する必要があります。
例えば一生涯住むつもりで買っているため、賃貸人よりも所有者が優先的に
共有スペースを使用できるなどの取り決めが存在している場合もあります。
住民によって組織された
管理組合にてさまざまなルールが
取り決められているので、
日頃から確認しておきましょう。
現状の法律ではマンションの建替えは再開発以外の場合、1室を所有する所有者の5分の4以上の賛成がなければ建替えることができません。
そもそも修繕積立金の額が不足している問題もありますが、東京都など利便性の高い場所では建て替えや修繕を行って品質が上がれば、その分賃貸需要が高まるため、積極的に行う傾向があります。
しかし、利便性の低い郊外のマンションなどでは、建て替えたとしても人口減少等の問題で入居者ニーズが見込めずに、建替えの決議は保留となるケースが増えています。
そうなると所有者は現状のまま住み続けるしかなくなるので、転居者を増やして、スラム化してしまう恐れもあります。
分譲マンション投資は通常の賃貸マンション投資と比べて、さまざまな課題や注意点があります。
今後も賃貸需要が見込める物件なのか?を含めて慎重に判断するためにも、信頼できる不動産会社を探しましょう。
そもそも賃貸需要とはなんなのか?マンション投資に必要な知識が分からないという方にはマンション投資の
セミナー講師などに相談するのもおすすめです。
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